こんにちは。ファイナンシャルプランナーの柴沼直美です。

本日は、いわゆるFPの関連資格(税理士や社労士、弁護士など)と呼ばれる方にとって、FPの資格取得が役に立つかどうかということについて自分の経験から感じたことをご紹介したいと思います。

 

筆者は最後に様々な資格を取得した後にFP資格を取得した

筆者は、順番としては保険募集人⇒証券外務員⇒証券アナリスト⇒社会保険労務士のあとでFPを取得しました。中には、「すでに持っている資格を活用すればいい」という方もいらっしゃいましたが、そのアドバイスをあえて聞かないでFPの資格取得をとろうしたきっかけは、「1つ1つがバラバラなのでピースをつなげるような接着剤のような役割を果たしてくれそう」と思ったからです。よくある資格取得学校のガイダンス講義などで最初にFPの説明をきいたときにそのようなイメージを抱きました。

以前にも何度かご紹介しましたが、弁護士や司法書士、税理士といった「士業(しぎょう)」と言われる方々は、それぞれの部門ではとても詳しいですが、その人に相談しようと思う人は、疑問点の外堀はすでに埋めていて「何のどこがわからないから○○士に相談する」というところまではっきり見えている人です。でも実際は、そこまでクリアにわかっているところと、わからないところがはっきりしている人はそんなに多くないのです。

 

FP資格は会話のきっかけ作りに役に立つ

筆者はセミナーを開催させていただくと、必ずご参加いただいた方に「ご質問があればお受けします」と最後に添えますが、質問が実際にでることはまれです。個別にこそこそっと来られて、「実は、なーんとなく話はわかったけれど、何をきけばいいのかがわからないから」と言われます。社会保険労務士として中小企業を回らせていただいた時も、本当は「社会保険・労働保険に加入してくださいね。」という主旨を伝えるまでに、「景気が悪い」とか「昔はこうではなかった」という愚痴を聞くところからはじまり、「なんでこんなに、儲からなくなったのだ」とか「どうすればまた儲かるようになるのか」など、先方は具体的な答えを求めるつもりはないけれど、方向性が知りたいと思っているケースがよくありました。

そこから派生して、「今、従業員、これだけ働いてもらっているけど、儲からない。どうしよう」となります。厳格なルールがありますから、解雇というのは国内ではほぼ不可能です。そうなると、別の方法でコストを見直し削減を検討しなければなりません。そこで例えば企業保険を見直す、或いは資金・資産の有効活用を提案する機会をキャッチできます。

 

ここまでの「つなぎ」としてFPの6課目を勉強していれば、何らかの話のきっかけを提供することができるのではないでしょうか。もし筆者がFPを勉強していなければ、FP6課目にわたって登場する、税務の話はほとんどできなかったと思います。個別具体的な税務相談は税理士でなければできませんが、現状について意見を述べることはできますし、「もし自分が経営者であればこんな税務上の優遇措置を活用したと思う」と制度についての話はできます。

何度も繰り返しますが、相談ごとはピンポイントであるケースはほとんどなく、実は枝葉がついていて、別のより深刻な問題とつながっていることがよくあります。その枝葉の話ができずに、「自分は社労士なので労働社会保険関係以外のことは専門外ですから」と言われると顧客はどう感じるでしょうか。

 

FP資格は自身の知識の更新に役に立つ

FPは専業業務がありませんので、FP資格を取得しなくても、日ごろから情報収集をまめに行い法改正事項をきちんと整理して更新できていればカバーできるかとは思いますが、資格を取得するために勉強するという「無理やり、広い範囲を、ある程度暗記する」チャンスがあるのであれば、やってみて損はないと思います。また、世の中全体の流れや動きが整理できること、今後どのように知識をどれだけ更新していけばいいかということがわかりますので役に立つと思います。

 

加えてFP資格を取得した後のFP仲間が集まる機会なども利用して(こちらは国家資格のほうはありませんが)一度は顔を出してみると、自分が知らなかった不動産の世界や法律の世界を漠然とした条文という視点ではなく「ビジネスとして」知ることができます。うまくいけば、協業や紹介というネットワークづくりにも役に立ちます

例えば社会保険労務士としての集まりであれば、基本は、皆さん社会保険労務士として仕事をしている人ばかりなので、社会保険・労働保険関係の知識の深堀には役に立ちますが、横に広がっていくことは難しいです。まれに社労士と行政書士の資格保有者で、メインを行政書士でやっているという人に会う機会に恵まれるかもしれませんが、社労士同士であることにはかわりはありません。

 

FP資格を取ると社交的になれる可能性も

偏見を恐れずに、主観だけで述べさせていただくと、士業の方は一般的に几帳面で勉強家、ややシャイですが、FPはもっとはじけていて、社交的なイメージがあります。確かに専業業務を確実にこなすことが求められる士業なのですから当たり前ではありますが、アウトプット力についてはFPには上手な方が多いかなと思います。いろいろな職業のいいところどりをするのも、関連資格をすでにお持ちの方がFPも併せて勉強するメリットといえると思います。