こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の柴沼直美です。

今日は、「FP資格を取得していたから詐欺にあわなくて済んだ事例」をご紹介したいと思います。事例というより筆者自身の経験です。ご参考にしていただければと思います。

 

世の中にはうまい話が転がっているけれど

よくネットでいろいろな広告やセンセーショナルな言葉でいかに「楽をして儲けるか」といった手法などを目にすることってたくさんあると思います。例えばFX(外国為替証拠金取引)とか、マンション投資などです。この取引自体、筆者は否定するつもりはありません。

確かに、FXはレバレッジが効いている分、自分の思惑通りに相場が動けば、想像以上の利益を獲得することも可能です。またマンション投資も、以下の前提であればまさに不労所得として今の給与所得が上がらない時代にはとても心強い収入の柱になると思います。

  1. 立地条件などがよく常にテナントが途切れない状態
  2. 自分自身ある程度の頭金を用意できる
  3. ローンの負担がそれほど大きくない

しかし普通に考えて、FXやマンション投資をやれば必ず全員が収益を獲得できるわけはないですよね。FXに関していえば、収益を獲得している人は、なにがしかの損失を被った人の資金が流れてきていると考えるべきです。金融市場において、市場全体が無限大に資産を膨らませていくなどということは現実的ではありません。

かつてのような高度成長が続いた時代であれば話は別ですが、せいぜい成長率が高いといっても世界全体で2~3%が上限である今の時代には、基本的に「富」の配分が行われているだけだと考えるほうが理にかなっています。

もしFPの勉強をしていなければ、おかね=世界のマネーがどんな流れを形成しているのか、という大きなトレンドはわからないでしょう。それゆえに見た目おいしい広告、例えば「誰でもすぐに5%は儲かる!」などといった甘い言葉で、なおかつ、最近は凝った動画解説などもついていますので、それらを見ているうちになんとなくその気になってしまいます。

 

売上―コスト(費用)=利益

そもそも、そんな動画を作るのに、どれほどのコストがかかっているのでしょうか。企業であれ個人であれ、収益をあげる方程式は1つしかありません。『売上―コスト(費用)』がプラスになるように設定するのです。コストがかかればかかるほど、すなわち、魅力的な動画を制作するほど、お試しで無料のプレゼントがつくほど、そのコストを売上に反映させなければ割に合わないことになります。必然的に、販売単価が上昇するというロジックです。

こういった一見シンプルな方程式やマネーの流れはFPの勉強をしていく課程で自然と身についてきます。中には、本当に目先の収入度外視のキャンペーンにうまく乗じることができる場合もあります。ですが、それが真のキャンペーンなのか見た目だけなのかということについて見極めは意外と難しいでしょう。

 

FP資格の勉強をすると、お金の流れや、売上・コスト・利益の関係性などが自然と身についてくる

FPの勉強は、ご存知のように6課目(詳しくは、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格の出題科目は6つからなる!を参照ください)で構成されていて、まず試験合格のためということで、それぞれの課目をバラバラに勉強して、ばらばらに出題される過去問題を繰り返し解いて理解度を深めるという、ありきたりの方法で学習を進めます。

6課目が1通り終了するまでは、「あとテキストの3分の1が残っている」「あともう少し」という感じで無味乾燥な時間を費やさなければなりません。ですが、一通りの学習が終われば、に「マネーの流れ」「収益・収入・コストの関係性」が明らかになってくるでしょう。そうなれば、おいしい話のどこまでが現実的(実現可能)で、どこから先は膨らし粉が入った分かということが客観的にわかるようになります。

これは一方的な情報を受け入れるだけの体制では腑に落ちないものです。すべてに当てはまることかと思いますが、受け身の学習では本当の知識は身にはつかないものです。FPの学習もまた然(しか)りで、時には理屈抜きで電卓をたたく順番だけ覚えてとりあえず頭に叩き込んだ。全部学習が終わってはじめて、別の課目がおわった、あるいは全部の課目が終わって全体を眺めてみてその中ではじめて理解できるようになるものです。

 

FP資格を取得することでおかねに関する常識を身に着けて、詐欺にあわないようにしよう

筆者の場合はもともとファイナンスの世界に身をおいていたので、他の人よりも全体像が見えるようになるまでの時間は短かったかもしれません。ですが、FPの勉強をせずに実務だけの運用マニアであれば、それこそ近視眼的においしそうな話に素直に飛びついていたのではないかと思います。なまじ、運用を仕事にしていた分、「この手法を突き詰めればこのくらいのリターンは獲得できるかもしれない。」「自分が現役時代のときに使っていた方法よりも、この点では勝っている『よう』だから、これは大丈夫かもしれない」と運用に関しては思っていたでしょう。

投資用マンションに関しては、さらに始末が悪く、不動産の知識は素人ですから、言われるがまま、説明を受けたらそのまま受け取っていたのではないかと思います。ローンを組めばどのくらいの家賃収入を途絶えることなく獲得しなければ結局、処分に困る大きな買い物をしてしまったでしょう。

自分よりたくさん勉強して自分よりたくさん実務経験を積んでいる人の話は傾聴に値することは間違いありませんが、それが真実かどうかという見極めをする力は自分で身につけておいて損はないですよね。ぜひ、みなさんもFP資格を取得しておかねに関する常識を身に着け、詐欺にあわないようにしましょう。