☆給与明細は大切な情報源です☆

給与が支払われる際、手元に届く給与明細。あなたはいつもどのように扱っているでしょうか?
毎月ご自分の手取り額だけを確認して、いつもと同じような金額を見て何となく納得、そのままデスクの引き出しへ。サラリーマンの中には、そのような扱いをする方も多数いらっしゃることでしょう。

ファイナンシャルプランナー技能検定試験(FP試験)では、給与明細に関する設問が定期的に出題されており、受験を志す方にとって勉強必須の課題でもあります。
そして、終身雇用制の神話が崩れ、資産の自己管理がさらに叫ばれるようになった昨今、自分に支払われる給与がどのような構成で成り立っているのかを把握しておくことは、実はとても大切なことです。

また、改めて給与明細の各項目を確認することで、これまで何となくの認識で済ませていた社会制度やしくみについてしっかりとおさらいすることができます
ぜひ、こちらでご紹介する情報で、給与明細を読みこなす知識を身につけて下さい。

 

☆給与明細各項目の説明☆

給与明細には、手取り額だけでなく、多くの項目に別れた数字が記載されています。
以下、順番に各項目についてご紹介していきましょう。
給与明細の項目は、主に「勤怠」「支給」「控除」の三つから成ります。

勤怠

出勤日数、残業時間、有給など、給与計算のもとになる勤務時間についての記載です。

支給

基本給、その他手当など、会社から個人に支払われる金額が個々に記載されます。
手当には家族手当、通勤手当、役職手当、時間外手当などがあり、会社が採用している各手当が記載されます。

ちなみに、ボーナスは基本給をベースに計算されるため、基本給の金額を把握しておくと、だいたいの金額を予測することができます。

控除

支給から差し引かれる金額のことです。こちらでは、簡単に主な項目について説明しておきましょう。

健康保険料

入社後は通常、会社が所属している健康保険組合に会社に加入します。保険料は会社と折半。半額を個人が支払います。小規模な会社の場合は、国民健康保険を採用している場合もあり、その場合は国で定めた一定額が差し引かれます。

介護保険

40歳から64歳の人が支払います。この金額も会社と折半、半額を個人が支払います。

厚生年金・国民年金

65歳以上になると貰える年金の掛け金です。この金額も会社と折半、半額を個人が支払います。

雇用保険

失業した際に一定額貰える保険です。会社と負担を分担して支払います。

年金基金

厚生年金・国民年金に上乗せして積み立てる掛け金。掛けている人は貰える年金が増額するしくみになっています。対応している企業は一部です。

所得税

給与の一部を税金として国に納めます。前年の給与をもとに一年の概算金額を算出、会社員の場合、総額を12カ月に分割し、毎月の給与から天引きします。
概算金額による支払いのため、過不足が生じた時は、12月に調整をします。(これを年末調整といいます。)

住民税

自治体に納める税金。一年分を年間を通して分割して支払います。

総支給額

企業が個人に支払うお金の総額です。

差引支給額

保険、年金、税金を全部差し引いて個人に支払われる金額です。

 

☆各控除から社会の仕組みを確認する☆

単純に書きあらわすと、

支給-控除=手取り額

なのですが、個人に支払われる給与の中から控除という数々のお金の動きがあることに気付くことがまず大切です。人によって違いますが、控除額は支給額の2割から3割にものぼります。

「こんなに引かれているのか!」と思うかもしれませんが、控除額にはもちろん個々にきちんとした根拠があります。控除内容は大きく3つあります。

保険:不測の事態に対する備え

健康保険、介護保険については、医療や介護にかかった場合、実際にかかるお金はより高額なものになりますし、しかもその支払いが長期に渡る場合もあります。

失業した際に支払われる雇用保険についてもしかり。単純に生活するだけでもお金がかかりますので、就職中に毎月定額を支払っておくことで、いざという時に生活費の大部分を保険料で賄うことができるというのは、とても理にかなったシステムと言えるでしょう。しかも、金額の半分は会社が負担してくれているのです。(雇用保険は負担の割合が変わります。)

年金:老後の資金確保

金額の大きさは厚生・国民年金や年金基金についても同様に言えますが、同額を個人的に積み立て続けることが可能かと考えると、何かあった場合に不用意に使い込んでしまう可能性も否めません。

年金自体が将来貰えるのか?という話題も定期的に取り沙汰され、支払いを放棄する人もいるようですが、自分が65歳を迎えた時に月額10〜15万円程度をコンスタントに稼ぐことができるか、実際に考えてみたことはあるでしょうか。そもそも支払いをしていないともらう権利はないのですから、ひとまず支払っておくほうが安心という見方もできます。

税金:国や自治体から使っているサービス料

所得税、住民税については、「自分が稼いだお金から、どうして税金を取られないといけないのか?」と理不尽に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

そもそも税金ってなんでしょうか。

この場合は、国や住んでいる自治体に納める家賃と考えるとスマートでしょう。国や自治体は、福祉、公共事業、水道の他、税金を財源として様々なサービスを提供します。税金を家賃として納めることで、初めてその恩恵を受ける権利にあずかれるというわけです。

また、仮に不満や改善すべき点を見つけた場合は、個人が正当な手段に則って訴え出ることも可能なのです。

 

☆給与明細は世の中と繋がっている☆

いかがでしょうか。これまでのご説明で、ご自身の給与と世の中との繋がりが見えてきましたでしょうか。

給与明細に記載されている各項目に関わる社会のしくみそのものを知っておくと、世の中を見る目や考え方が今後随分変わってくることでしょう。

盲目的に真面目にコツコツやるだけでは将来が保証されなくなった現在では、将来「こんなはずじゃなかった!」と嘆くことのないように、今後様々な角度からご自分の立場を確認をすることが大切になるかと思います。本文がその一助になれば幸いです。