ファイナンシャルプランナー(FP)資格はおかねに関することを幅広く学ぶことができます。一方で、宅建は不動産に関する法律を学ぶことができます。

FP資格は色々な資格とのダブルライセンスの相性が良く、ダブルライセンスを目指すことで、より高い専門性を身につける事ができます。今回この記事では現役FPである筆者が、FP資格と宅建(宅地建物取引士)のダブルライセンスについて、学習内容のつながりを説明します。そのあとに、FPと宅建のダブルライセンスが業務上どのようなメリットをもたらすのかを検討していきたいと思います。

 

宅建とはどのような資格なのか。FP資格の学習内容との共通点は?

宅建とは宅地建物取引業法に基づいて定められている国家資格です。宅地建物取引業とは一般に不動産会社のことであり、業法の指す宅地建物取引業とは主に不動産業のことを言います。不動産会社の主な業務である不動産の売買や交換、そして貸借の際に顧客利益の保護や不動産の円滑な流通に役立つように契約時の重要事項の説明を行う不動産取引に関する法務の専門家です。

宅建資格とFP資格で共通する学習分野は主に不動産取引に関する法律事項の点です。法律的なことはFP資格よりも宅建資格の方が広く学習するのですが、資金についての学習はFP資格の方が広く学習していきます。

具体的にはFP資格では不動産取引に係る法律事項よりも、取引時にかかる税金に関する分野や不動産の価値を評価する分野を重点的に扱いますが、宅建資格では民法、不動産登記法、借地借家法、区分所有法など不動産関連法令の知識を中心に学習していきます。またFP資格では、住宅取得時の資金計画の立案や、そのためのローンや保険の知識についても学習していきます。

 

宅建士とFP技能士のダブルライセンスの相性は?両方取得すべきか

結論から言うと宅建資格とFP資格のダブルライセンスの相性は良好と言えます。FPと宅建の資格は不動産分野で学習する内容が共通ですが、FPはあくまでおかねの話がメインであり、宅建は法律の話がメインなので、両方勉強することで足りない知識を相互に補填し合う関係にあり、ダブルライセンスによって住まいのプロフェッショナルとなる事ができます。

既に宅建を持っている人がFP資格を取得するメリット

まず、既に宅建を持っている人がFP資格を取得してダブルライセンスとなる場合についてです。業務上のメリットは数多くあります。

  • 宅建士はFP資格の知識を得る事で住宅を取得しようとしている顧客に対して資金面でのプランニングをする事が可能になり、ローンについてのアドバイスをする事も可能になります
  • 顧客の価値観に合わせたライフプランニングを行う事が出来るので、より顧客の目線に立った提案が可能になります
  • そして資金計画を立てて、定期的にコンサルタントをする事で、ローンの返済に行き詰まったり、家賃の滞納などのトラブルを減らす事が可能になります

FP資格を取得することで上記のような付加価値を生み出すことができるようになります。結果として、顧客にとっても、会社にとっても不可欠な人材となる事が可能です。

上記以外にもメリットは考えられます。

  • 会社によっては宅建資格だけではなく、FP資格にも資格手当の支給される場合があるので、収入に直結する資格であると言えます
  • 転職時にも不動産会社だけではなく、保険会社などの金融業も選択肢に入るので、自らの可能性を広げることにつながります

では、FPが宅建の資格を取得するとどうなるのでしょうか?

既にFP資格を持っている人が宅建を取得するメリット

次に、既にFPを持っている人が宅建を取得してダブルライセンスとなる場合についてです。FPが宅建の資格を取得する事で得られるメリットは、独立FPとして活躍する際に顕著です。不動産関連の方向へ業務を拡大する事が可能になり、自身の専門分野を持つ事が出来るようになります。

専門分野を持つことは他のFPと差別化を図るうえで極めて重要です。FP資格だけでなく、宅建を取得して不動産に強みを持つことで、肩書きもアピールすることができますし、実際に他のFPよりも有益なアドバイスを提供することができるようになるでしょう。

住宅取得は教育・老後と合わせて人生の三大資金と呼ばれており、綿密に資金計画を立てて購入する必要があります。FPに資金計画を立ててもらうなら、やはり不動産分野を得意とするFPに資金計画を立ててもらいたいと思います。そこで不動産について明るい、宅建を保有しているFPは他のFPと差別化をはかれるので顧客を獲得しやすくなります。

FPは業務内容が大変広いので、生き残るためには広い業務範囲の中から自分の強みとなる分野を作る必要があります。他のFPと差別化をはかる事ができれば、途端にFPは稼げる資格に変貌します。ダブルライセンスは自分の強みを客観的に示す事が出来るので、FPとして活躍したい人にはおススメです。

学生の時に両方取得してしまうと不動産や保険業界から歓迎される人材になる事が出来るので、特に不動産業界に就職したい学生は、在学中の資格取得を目指すといいでしょう。社会人になってからの取得でも遅くないので、転職を目指す方や自分の市場価値を高めたいスキルアップしたい方にはこのダブルライセンスはおススメです。不動産の営業は収入が非常に高い事が多いので、大幅な年収アップが見込めます。

FP資格も宅建も持っていない人はどっちから取得した方がいいの?

FP資格と宅建どちらも持っていない人は、どちらから先に取得すればいいかです。

不動産に興味がある、不動産に関わる職業に就きたい・就いているという方は宅建を先に取得するといいでしょう。当然ですが、不動産を生業にしようとされる方にとっては、不動産に関する知識を十分につけることは必要不可欠です。FP資格も不動産に関する知識を身に着けることができますが、あくまで幅広く学ぶ範囲の一部です。FP資格を取得することで、たしかに高い相乗効果を得られますが、FP資格で得られる知識はあくまでプラスアルファであると考えてください。

それ以外の方はFP資格の取得を断然おススメします。理由は簡単です。宅建は不動産に関することを学びますが、実際に人生の中で不動産の取引を行うのは何回あるでしょうか?おそらくほとんどの方は1回か2回でしょう。FPのように住宅購入について相談を受けている人であれば、宅建を取得して不動産に関する知識を持っておくことは大変意味があると思います。しかし、そうでない方はせっかく勉強して苦労して得た知識を使う場面はあまりありません。

一方で、FP資格はどうでしょうか。FP資格はおかねに関すること全般で学べますので、どんな職業でも役に立ちますし、ご自身の家計に大きなメリットをもたらします。FP資格を取得することで、何も得られないという方は絶対と断言していいほどいないでしょう。ですので、まずはFP資格を取得することをおススメします。

 

まとめ

宅建とFP試験の学習内容は、不動産の分野で関連しています。宅建は法律面の知識を主に学び、FPは資金計画の立案という面から住宅取引に関わるので、資金計画の立て方から保険の選び方、税金についての知識について学びます。

宅建とFP資格の両方を勉強することで、FPとしては住まいに関する資金計画を提案する分野に強くなれます。そして宅建士としては、資金面も考慮して顧客に提案ができます。宅建とFPはダブルライセンスの相性が良く両方取得することで、仕事のサービスの質が高まるのでスキルアップしたい人はぜひダブルライセンスに挑戦すべきと言えるでしょう。