資格のススメでは過去問題集の解説に重点を置いています。どうしてかというと、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格にかぎらず、様々な資格を取得していくうえで、最短で資格を取得できる方法は過去問題集を何度も解答することだと思っているからです。

学科(3級)の過去問題集

資産設計(3級)(日本FP)の過去問題集

テキストを読んで分かったつもりになっても分かっていない

資格のススメメンバーは典型的なA型です(もちろんA型でもそうでない人は沢山いるので、あくまでイメージです)。まず、テキストを最初から最後まで順番通りに読んで、自分なりに読んだつもりにならないと気が済みません。問題を解きはじめなる前にきちんとテキストを隅々まで読まないと不安になるのです。ただ、実際に問題を解き始めるとこう思います。「自分の思っていたよりできない。。。だけど、テキスト読んでなかったらもっとできてなかっただろうな(ホッ)」

確かにその通りなのですが、実はテキストを読んだことで最初から解ける問題というのは相当少ないです。逆に言えば、テキストを読もうが読むまいが最初から解けない問題は相当多いということです。そのため、テキストを読むことに多くの時間を割くことは得策ではないでしょう。浮いた時間はその分過去問題集を解くことに費やしましょう。テキストを読むうえで必要な理解度は、感覚的に言えば、5割くらいでいいと思います。残り半分の5割は分からくても読み飛ばした方がいいでしょう。

あるテキストを既に持っていて、「分かりにくいから、もう一冊参考書買おうかな」と思う方もいますが、新たなテキストを買うことは当サイトは否定的です。時間に余裕のある人はそれでいいと思いますが、そうでない人は時間の配分が重要になります。2冊のテキストがあると、重複している内容が多い割に、読む時間が大幅に増えてしまうためです。新たな参考書を買うよりも、過去問題集を買うことをおススメします。

過去問題は重要だから過去に問題として出題されている

「過去に出ているんだから、今年は(もう)でないんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、それは違います。その理由は主題者の立場から考えると簡単です。どうしてその問題が出題されたのでしょうか?重要だからです。一番重要な点ですのでもう一度言います。「そんなの分かってるよ」と思われる方が多いと思いますが、もう一度言います重要なポイントだから過去に出題されているのです。そのため、過去問題と全く同じ問題ではなくとも類似問題が出る可能性は極めて高いといえます。ただし、過去問題と全く同じ問題じゃないと分からないといった状況になるのは避けましょう。過去問題で以前は肯定文だったのが、否定文となって出題されることもままあります。過去問題集で出題された内容は暗記するのではなく、きちんと理解することが重要です。

資格試験はビジネス

資格試験を実施している団体からすると、相応の受験者数がいないと成り立ちません。ボランティアではありません。実施している団体も他の企業と同様に様々な支出(費用)があります。人件費や家賃などです。そうした支出はどこから捻出するかというと、受験者(合格者)からです。資格によっては、受験時にだけ費用がかかる資格(例えば簿記など)、受験時だけでなく年会費がかかる資格(例えばAFPなど)があります。もちろん実施団体としては、受験者を増やすためにその資格の魅力を高める努力をしており、それで受験者もその魅力にひかれて受験をします。

ほとんどの資格で最長で1年以内に試験があります。その対策が難しければ受験者は増えません。そのため、受験者が何かしらの対策ができる必要があります。そうした中、過去問題集は受験者が最も対策しやすい方法です。出題者からも過去問題集とは全く異なった問題を出題することは長期的にデメリットとなるリスクがあるのです。

選択問題は情報の宝庫

選択問題(2択や4択)は情報の宝庫です。例えば、4択問題の場合、1つの正しい選択肢と3つの誤った選択肢があります。3つの誤った選択肢はある一部分を直すと正しい選択肢となることが多いため、解説を読んで3つの誤った選択肢を1つずつ正しい選択肢に変えていきます。そうして、全ての選択肢を正しい選択肢にするのです。そうすることで、1つの問題で4つの正しい内容の情報が得られることになります(正誤問題は2択で答えは1つだけなので、得られる情報は1つの問題につき、1つの正しい内容となります。)。過去問題集を解くときは、問題に正解していているかどうかよりも、解いた問題の全ての選択肢を理解することが重要となります。

過去問題は少なくとも3回、時間があれば5回解く

人間の知識の定着には有効な方法があることが科学的に分かってきています。「科学的?なんか難しそうだな」と思われるかもしれませんが、何も難しいことはありません。学生時代に「授業に出るだけじゃなく、予習、復習が大事ですよ」と先生から教わったと思いますが、それを実践すればいいだけなのです。復習は1度ではなく、何度も行うことで知識の定着が図れます。復習とは、ここでは過去問題集を再度解いて、答え合わせをし、解説を読むことで1度とカウントします。復習時に解く問題は、前回解いたときに正しかった問題、誤った問題に関係なくすべて解きます

過去問題を解くことは科学的に最適な学習方法の一つ

人間には好き嫌いがあります。例えば、新しい事(インプット)を学ぶことが好きだけど、学んだことを生かして新しい行動(アウトプット)を起こすことは好きではない人がいます。セミナーに数多く参加したり、とにかく本をたくさん読むことが好きな人などです。逆もしかりです。例えば、スポーツで練習(インプット)は好きではないけど、試合(アウトプット)は好きな人などです。もちろん、個人個人の性格なので何が正しい、悪いはありません。

勉強をする上でも、テキストを読む(インプット)のは全く苦にならないけど、(過去)問題集を解く(アウトプット)のが苦手の人がいます。逆に、とにかく問題集を解くのは苦にならないけど、テキストを読むのは苦手の人はあまりいないのではないでしょうか。資格を取得するうえでは、最終的な目標は問題を解いて(アウトプット)、合格することにあります。そのため、アウトプットが重要になってきます。(過去)問題集(アウトプット)が苦手な人は、意識してアウトプットを増やすようにしましょう

過去問題を解く(アウトプット)ということは、読んだテキスト(インプット)の内容を思い出すということです。このインプットさせたものをアウトプットさせるという行動・プロセスが、知識の定着を図るうえで、とても重要であることが分かっています。人間の脳というのは、五感で感じたことを全て覚えるというわけではありません。むしろ無意識に自分にとって必要な知識なのかそうでない知識なのかを取捨選択しています。脳は一度触れただけの知識であれば大抵必要のない知識だと判断し、覚えることを拒否してしまいます。そのため、何度も繰り返し思い出すことが重要です。脳に対して「この情報は将来使う重要なものですよ」と認識させることで、記憶・知識が定着するのです。これは、脳科学的な見地からも、心理学的な見地からも証明されてきています。そうしたことから、過去問題を何度も解くことで脳に「重要ですよ」と自ら働きかけ、知識を定着させることは科学的に最適な学習方法の一つと言えるでしょう。

また、過去問題を解くと実際には出題されていない関連性の高い知識についても定着させる効果があります。例えば、穴埋め問題を例にとってみます。穴埋め問題を解くときは、当然ですがそれぞれの穴埋め箇所について何を埋めればいいのか考えます。その時に、選択問題であれば「この穴埋め箇所は、○○か、××のどっちかだな」という風に答えの候補を比較して検討する場合があるでしょう。そういう場面では、自分の脳内にある問題と関連性の高い知識・記憶を思い出して問題を解いています。つまり、過去問題を解くことは解答を導き出すことだけでなく、その問題の周辺の知識も活性化させ、定着させる効果があるのです。

 

効果的に過去問題集を解く方法

そうはいっても「過去問題集解いてきたけど、正直それほど重要だと感じていない」と思うかもいるかもしれません。そうした方は、これまで過去問題集を解くさいに、自分が試験で何点取れるのかということに重点を置いてきた可能性があります。過去問題集を解いても、自分が解いた問題が合っていたかどうかが最も気になってしまうのです。過去問題集を解くさいに重要なのは、自分が現在何点取れるかということよりも、過去問題集から得られる知識を最大限に増やすことです。

効果的に過去問題集は解く方法は大きく4つの順序となります。

1.問題を解く
2.自己採点する
3.問題を一問ずつ確認する。選択問題などは、誤っている内容を正しくして、全ての選択肢を正しい選択肢として得られる知識量を増やす
4.過去問題集は、前回解いたときに正解した問題、誤った問題どちらも何度も解く

まず、1.問題を解きます。そして次に、2.自己採点をします。ここまでは誰もが同じ順序だと思います。3.および4.で効果的に過去問題集を解くことができるか否かが決まります。3.は上記でも述べた通り、誤った選択肢も全て正しい選択肢として、得られる知識量を増やすことが重要です。4.過去問題集は何度も解くことが重要です。それはたとえ前回解いたときに正しく答えることができた問題についても言えます。脳は何度も刺激されると「これは重要なんだな」と認識するからです。そうやって知識の定着を図ります。また、3.一問ずつ確認する際は、間違えた理由について自分なりに理解・認識をしておきましょう。つまり、間違えた理由が単なるケアレスミスなのか、知識不足なのか、そもそも全く理解していないのかを理解・認識するのです。それを踏まえて、次回問題を解く前に自分なりに何らかの対策を講じることができれば、正答率は格段にアップします。

過去問題集を何度も解くことが、知識の定着において非常に重要であることが理解していただけましたでしょうか。繰り返しになりましたが、過去問題を解くことは、自分が今何点の点数を取れるか図るということが一番の目的ではありません。効果的に過去問題集を解くことで、過去問題集から得られる知識は「科学的に最適な学習方法の一つ」であり、そこから得られる知識を最大限に増やすことです。また、繰り返し過去問題集を解くことで、効率的に知識を定着化させることができます。

またここでは、詳しく触れませんが、脳には「逆行抑制」というものがあります。これは、新しい情報を次々と脳に送り込むと、以前得た情報に上書きされて、以前得た情報が消えていく現象です。そのため、知識を定着化させるには、2時間続けて勉強(暗記)するよりも1時間を2回に分けた方が良いです。さらに短くして、1時間続けて勉強(暗記)するよりも、30分を2回に分けた方が良いです。

さらに、知識を定着させるためには「睡眠」も欠かせません。起きていると、無意識にさまざまな情報が次々と脳に送り込まれてしまうため「逆行抑制」が働いてしまうと言われています。しかし、寝ていると余計な情報が脳に送り込まれないため「逆行抑制」が働きません。そのため、睡眠を十分にとると、知識は定着しやすいと言われています。そのため、夜型の人は勉強が終わったらすぐに眠ると知識が定着しやすいのでおすすめです。勉強を終えた後にテレビや携帯を見たり、インターネットをしたりして新しい情報を脳に送り込むことはあまりススメしません。

「紙」によって知識の定着を確実なものにする

ここで、資格を取得のために勉強をする際の媒体(メディア)について考えてみます。資格のススメでは、PC、スマートフォン、タブレットなどのメディアで過去問題集を提供しますが、「紙」での過去問題集の提供も行います。個人の好みや年代層によって違いがあると思いますが、「紙」はいまだに重要なメディアであると考えています。「紙」の方が読む(視覚)、聞く(聴覚)、書く(触覚)などの動作により五感が刺激され、知識の定着が図れると考えているためです。また、「紙」はその他のメディアよりも意識がより向けられます。個人差はあれど、全く同じ情報でもネット上では読み飛ばしてしまうところがあったりしても、「紙」だとそうしたことは少ないといった経験は少なからずあるのではないでしょうか。「紙」の方がその他のメディアよりも五感を刺激するため、そうしたことが起きると考えられます。

過去問題集を解くうえで重要なのは、どうして間違えてしまったのか理由を理解しておくことです。「紙」であれば、問題を解いたときに自分がどういうことを考えて問題を解いたかの痕跡が残っています。しかし、「紙」以外だとそうした痕跡は残っていません。それは、「紙」以外のメディアでは過去問題集を解いて得られる情報を最大限にしにくいことを意味します。また、過去問題集を解くことで問題と関連性の高い知識についても定着が図れますが、「紙」以外のメディアだとそうした効果もあまり期待できません。新しい問題を解くことでその関連性の高い知識に影響して知識を定着させますが、問題を解いたことの痕跡がないと、その効果は大きく減少してしまいます。

余談:テキストから得られる情報を知識として定着させるには

テキストを読んで得られる情報を知識として定着させるにはどうすればいいか考えてみます。繰り返しになりますが、脳は何度も刺激されることで「この情報は生きていく上で重要なんだな」と認識します。そのため、1度読んだだけでは知識は定着しにくいです。東大を首席で卒業した弁護士の山口真由さんは「7回読み読書法」をおススメしています。詳しくは、同著をお読みください。

 

 

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