資産運用・投資について知らないと恥ずかしい?
「資産運用」「投資」という言葉を聞いてみなさんはどんなイメージを持ちますか?「難しそう」「自分にはおそらく一生縁のないこと」「やらないといけないと思っている(何から始めていいのか分からないから、二の足を踏んでいる)」「すでにやっている(良い商品があれば教えてほしい)」
おそらく、資産運用(投資)をしている人も、していない人も、何かしらの知りたいことがあるのではないでしょうか。日本では学校で「おかね」について教わる機会はほとんどありません(一部の大学ではFP講座を提供しています)。
ですので、みなさんがおかねの使い道の一つである「資産運用」「投資」については、知らないことが多いのは当然です。知らないからと言って、何も恥ずかしいことはありません。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する前の準備
そのため、おかねのホームドクターと言われるファイナンシャルプランナー(FP)に相談されることは、適切な行動と言えるでしょう。ただし、FPに実際に相談されるさいには、事前に準備をしておくと効率的に相談ができると思います。
具体的には、以下の3点について事前に準備しておくといいでしょう。
- どうして資産運用・投資が必要なのか自分なりに考える
- どういうFPに相談すればいいか考える
- FPに相談したい内容をある程度考える
そうしておくことで、FPとの面談が効率的で実のあるものになると思います。
資産運用・投資が必要な理由
まずはじめに、そもそもどうして資産運用・投資が必要なのでしょうか?テレビでは時折、投資をすすめる番組がありますね。また、日本政府も「貯蓄」から「投資」へというスローガンを掲げています。そうしたことから、なんとなく投資って必要なのかなと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんね。実際に投資をする場合は、その目的を明らかにした方がいいでしょう。
おそらく大半の人の投資をする目的というのは、投資をしておかねを増やすことだと思います。(経済的にはマーケット(市場:しじょう)に流動性を供給することで、社会全体のおかねの循環を良くする効果があります。平たく言うと、社会貢献ができるということです。)
それでは、どうしてお金を増やすのでしょうか?「将来年金がもらえるか不安」「給料が上がらない」「もしものために」様々な理由があると思います。投資でおかねを増やすことは大事ですが、投資にはリスクがあります。リスクというのは、おかねが増える可能性もあるけれど、減る可能性もあるということです。将来の年金や子供の養育費、住宅ローンなど本当に必要なおかねが、投資によってなくなることは絶対に避けなければなりません。
ですから、資産運用・投資に回すおかねというものは余裕資金でないといけません。また、余裕資金でどのくらい稼ぎたいのかを知るためには、ご自身のライフプランが必要になります。つまり、ライフプランを考えることで余裕資金が分かります。これで、ようやく資産運用・投資に回せるおかねの金額が分かるようになります。
どういうFPに相談すればいいか
次にどういうFPに相談すればいいか考えてみましょう。ここでは、相談しない方が良いFPを明らかにすることで、相談してもいいFPを明らかにしたいと思います。ここでの相談しない方がいいFPとは、あくまで資産運用・投資に関する相談内容に限定した場合です。ですので、資産運用・投資以外の相談内容については、必ずしも次にあげる条件は当てはまるとは限らないのでご注意ください。
独立系FPか金融機関勤務FPか
金融機関はその支店ごとに(もしくは全社的に)力を入れている商品があります。そうした商品の販売に対して、(すべての金融機関がそういうわけではありませんが)従業員に販売目標が課されているケースがあります。ですので、必ずしも自分のライフプランに合った商品をすすめられるとは限りません。また、すすめられた商品が上がるか下がるかは何とも言えません。
自分のライフプランに合った商品のアドバイスが欲しい方は、(証券仲介を行っていない)独立系FPがおススメです。ここで、証券仲介とは、証券会社と提携して、証券取引を仲介することです。立場上、実質的には金融機関勤務とほとんど変わりません。
自らリスクを取って運用しているかどうか
FPに相談される前に、自分でリスクを取って資産運用をしているかどうか聞いてみましょう。もし、これまで資産運用をしたことがない、今はしていないのであれば正直そのFPはあまりおススメしません。やはり、経験したことがあるかないかは大きな差があります。たとえ、元金融機関勤務でも資産運用をしたことがなければ、もともと金融機関勤務ではないFPでも自分で運用しているFPよりも適切なアドバイスはできないと思います。元金融機関勤務のFPはさまざまな商品についての知識はあるかもしれませんが、その商品が将来上がるか下がるかまでは究極的には自分のことではないので、あまり真剣に考えないからです。
「資産運用なんだから、元証券会社勤務のFPに相談しよう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、証券会社社員には厳しい自己投資ルールが課されていることがあり、そのため実際は自分で投資したことのない人も数多くいます。ですので、証券会社勤務だから適切なアドバイスができるとは限りません。
有資格者かどうか
FPでは資産運用について勉強しますから、FP資格の中でも難しいCFPや1級FP技能士の資格を持っている方は、最低限の知識を有しているといえるでしょう。資産運用の理論については「証券アナリスト」という民間資格で主に勉強します。こちらの資格をもし有している場合は、なお安心して相談できるでしょう。
税理士とのネットワークがあるか
実際に投資をすると、税金についての知識も必要になってきます。税理士資格を有していないFPは税務に関する個別相談を受けることができないので、税理士とのネットワークを持っていることは重要です。自分で投資しているFPであれば、実際に自分がどのように税金に対処しているのか自分の事例をお伝えすることができるので、そういう面からも実際にリスクを取って運用しているFPをおススメします。
何をFPに相談するか
FPを相談される方には個々人で様々な理由があると思います。一方で、何を相談すべきかわからない、何を相談したらいいのかアドバイスが欲しい方もいらっしゃると思います。また、相談する理由をお持ちの方も、ご自身では認識していないが追加で相談したい内容があるかもしれません。
そうした方は、下記に一例を羅列していますので、こちらをご参照ください。
新規投資の相談編
・退職金が銀行に入金されたが、その銀行から投資に対する提案があった。投資すべきかわからないので、中立的な立場から相談にのってほしい
・老後資金の運用プランを作りたい
・分散投資をした方がいいと聞いたが、具体的なやり方がわからない
・将来のインフレに備えて、お金の価値の目減りを防ぎたい
・ワンルームマンションやアパートなど不動産投資をして、節税をしながら、安定運用をしたい
既存投資の相談編
・ファイナンシャルプランナーによる資産運用相談(金融機関に勧められて購入した投信が値下がりして塩漬けになってしまった。どうしたらいいか)
・自分に合った資産運用プランを作りたい
・いまあるお金をバランスよくポートフォリオを組んでうまく運用したい
・保険や貯金を含めた総合的な資産管理がしたい
個別商品の相談編
・NISAで投資信託(投信)を買いたいが、投信は数千本もあってどれを選べばいいかわからない
・対象者が増えて最近話題になっている確定拠出年金制度(iDeCo)ってなに?節税になるなら、確定拠出年金制度を利用して将来の自分の退職金を増やしたい
・購入した変額個人年金保険でうまく運用したい。ただ、種類が豊富にあるので、どれを選べばいいかわからない
公平な立場からのセカンドオピニオンとしての相談編
・銀行で勧められた商品が本当にいいのか、中立なFPに相談したい)
資産運用の勉強に対する相談編
・資産運用の方法をきちんと学びたい(当サイトではまずご自身でFP資格を勉強して取得することをおススメしています)
若い時からの投資相談編
・毎月の給料の中から資産運用をして老後に備えたい
・20歳代、30歳代からの財産形成をしたい
定年後、相続後のまとまった資金の相談編
・ゆとりのお金ができたので、資産運用をして殖やしたい
・相続したお金の運用方法を検討したい
・まとまったお金があるので、相続税対策をしながら安定運用をしたい
まとめ
ここでは、まずそもそもなぜ資産運用が必要なのかについて考えました。そのうえで、資産運用できるお金の配分を事前に決めることが重要であることをお伝えしました。そして、FPに相談する際の注意点をいくつか挙げました。最後に、資産運用でFPに相談したい内容をある程度考えておくことで、FPへの相談がより実のあるものとなることをお伝えしました。
皆さんがFPに相談することで、今後の資産運用がうまくいき、未来がより良いものとなることをお祈りします!
最後に
資産運用をするにあたり、投資する際に購入する金融商品は本当に数多くの商品があります。その商品には理解することが簡単な商品がある一方で、難しい商品も数多くあります。ただ、理解することが簡単(もしくは難しい)商品だから運用成績が良い、悪いといったことはありません。ですので、投資初心者の方にとっては自分で理解できる簡単な商品が良いと思います。
投資は「自己責任」の原則があります。難しい商品を買って損をしても自分が損をするだけなのです。投資をする際にはしっかりと商品を理解して投資しましょう。そのために、自分が理解できる商品を選ぶことはとても重要です。