こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の柴沼直美と申します。今日は、FPの資格取得に対して興味をお持ちの皆さま、あるいは、資格取得を迷っていらっしゃる読者の皆様に向けて、エールも含めて、もっとFPに親しみを感じていただけるような筆者が今FPとして仕事をしている日常をお伝えしようと思います。

FPの仕事内容ってどういうものなの?

少なくともこちらをご覧になっていらっしゃるということは、すでにFPの資格取得に多かれ少なかれ興味を持たれていると思います。しかし、「FPの仕事内容」についてはまだまだ、具体的なイメージがつかない、そもそも、あんまりFPの仕事をしている人を見たことがない、そして実際で収入を得ることができるかどうか不安、という声も資格取得のための勉強をしている受講生の方々から耳にすることがあります。

 

FPの仕事内容の身近な例

身近な例としては、ショッピングモールなどの中に入っている保険ショップ(複数の保険会社の商品を中立公正な立場で比較検討して、お客様にぴったり合った商品を提案する)のアドバイザー、金融機関の窓口やセミナーでの資産運用セミナー講師、住宅ローン相談会でのアドバイザーなどがイメージしやすいかなと思います。彼らは、独立していて、企業様からの依頼に対応して、セミナーや相談会開催時のみ「中立公平な立場で」情報を提供するという役割を担っていますから、実際に商品やサービスを販売するというところまでは踏み込まないのが普通です。しかしながら、こういった仕事内容でも企業に所属しているいわゆる「正社員」の場合は、企業(不動産屋、保険ショップ、金融機関)の売り上げに貢献するため特定の商品やサービスの販売推進までかかわっているケースもあります。

 

FPの理想と実際

前述の内容から比べると比率はぐっと下がりますが、本当に「ファイナンシャルプランニング」というサービスを「中立公平な」立場で提供し、相談料のみをいただくという働き方もあります。これがまさにFPの王道です。ちょうど弁護士資格をとった方が独立して弁護士事務所を開設して、クライアントのために仕事をするというのと同じです。

こちらのケースはFPの資格を取得したら誰でもが夢見るキャリアゴールかと思いますが、想像してもすぐわかるように、いきなりこの働き方で定収入を得ていくのは難しいです。これはFPに限らず当てはまることですが、独立するというのはみなさんお一人お一人がいわゆる「社長」として看板を背負ってクライアントから信頼されて仕事を任されるわけですから、資格を取得したばかりですと、クライアント側からも「この人にまかせて大丈夫かな」と思われてしまうので依頼が来ません。従って、この王道のキャリアゴールに到達するべく、最初は企業に属して経験を積むというのが一般的です。

ではこの究極のキャリアゴールに到達するために、どんなことをやっていく必要があるのでしょうか。筆者の日頃の仕事内容や感じたことを交えてご紹介させていただきます。

 

FPの顧客層は幅が広い

FPという資格は以下の6つのテーマから成り立っています。

  1. ライフプランニング(住宅ローンや年金・社会保険など)
  2. リスクと保険(保険商品)
  3. 金融(金融商品)
  4. 不動産
  5. タックスプランニング(所得税)
  6. 相続と事業承継(相続税や自営業の方の後継者問題)

もうお気づきだと思いますが、「おかね」に関することはほぼすべてが網羅されていることになります。想定されるご相談者のプロフィールも若年層(例えば、はじめてサラリーマンになったときの社会保険との関連での保険の入り方)から結婚したばかりのご夫婦(住宅ローンの組みかたや子どもをもった場合の妻の働き方)、教育費負担に頭を悩ませる中間層、そしてシニア層(老後資金や介護施設の選択など)あらゆる世代が対象になり得ます。すなわち、360度全方位からの質問に答えなければならないということになって、「これではとても無理」と思われるかもしれません。

 

持ちつ持たれつ

でもそこは心配するには及びません。FPの中には、不動産に強い人(不動産業界での仕事の経験がある人など)、年金に強い人(年金事務所や社労士事務所での仕事の経験がある人)、住宅ローンや金融商品に強い人など、特定の分野に比較的馴染んでいる人は必ずいます。実際、その業務を通じて、「もっと全体的に知識の底上げをはかりたい」という思いで資格取得を思い立った方もたくさんいらっしゃいます。例えば、通信講座で勉強をされる方も、最近はフェイスブックやラインをはじめとしてさまざまなSNSでFPの資格取得を目指す人たちの交流が行われていますから、こういった手段を利用して仲間を見つけることができます。同じ資格を目指した仲間とは合格後も情報交換などで交流を続けているケースは多く、筆者もその一人です。こういった過程で、お互いに得意分野のクライアントについては紹介し合うことが一般的です。

 

得意分野を持とう

ただここで意識していただきたいのは、仲間から「紹介してもらう」ためには、「この分野であればまかせて大丈夫」と思ってもらえるような「自信」をしっかりつけておく必要があるということです。それは経験でも知識でもいいのです。例えば「保険商品ならば○○さん」と言えるような「核」を意識しながらメリハリをつけて勉強を進めると、モチベーションも維持できます。

以上、ざっくりですが、こちらから具体的なFPの仕事像やFP資格を活かした働き方についてイメージしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。