FPの柴沼直美です。ファイナンシャルプランナーとして独立して10年ほどが経過しましたが、独立時に描いていた青写真や、実際独立してみてどうだったかなど、経験を交えて感じたことをいくつかご紹介したいと思います。

 

起業時にまず感じたこと

起業時に感じたことは、『不安』です。サラリーマン時代というのがいかに大きな看板という目に見えないシェルターの中でぬくぬくと仕事をしてきたかということを最初に感じました。「FPの柴沼」と言っても誰もわかりません。実績がありませんし、それを証明するものが何もありませんから。「○○(会社名)の柴沼」と言って名刺を差し出せばとりあえずアポイントがとれたのとは様変わりです。

 

FPとして起業した理由

私の場合は後戻りに未練は大いにありましたが、できない事情がありました。当時子どもが3歳、1歳、1歳と3人いて、どう考えても勤務するということは現実的ではなかったからです。

 

起業するときに最低限必要なものを4つ挙げると

「覚悟」

ここで一つポイントとして挙げさせていただきたいのは「向いているかどうか」ではなくて「やらなければいけない状況にあるかどうか」だと思います。同じ時期に同じように独立した仲間のうち何人かは数か月後、数年後にサラリーマンに戻っていました。彼らは「サラリーマンに戻ることができたから」戻ったのだと解釈しています。もちろん、大義名分として「組織に縛られずやりたいことができる」という風に言われますが、その前に一匹狼で「FPとして生活をしていかなければ」ならないのです。なにがしかの蓄えがあったとしても、一生涯好きなことだけやって生きていけるケースはそうそういないと思いますから、独立するからには「生活が成り立つ」水準まで何としても売上を伸ばしていかなければなりません。この思いがどれだけ強いか、ということに尽きると思います。言い換えればこの「覚悟」があれば、自然とやらなければいけないことは見えてきます。その最大のミッションは、クライアントに振り向いてもらうことです。

「看板」

では、どうすればクライアントがこちらを見てくれるのでしょうか。経験から学んだことは、「自分しかできないオリジナリティを一言で言えるか、見せられるか」です。独立・企業をお考えの方は、日ごろから、「自分といえば○○」というキャッチコピーを意識していただくといいかと思います。意外と思い浮かばないし、仮に浮かんでも、自分本位でクライアント目線になっていないことが多いです。私の場合も最初に思い浮かんだのが「柴沼といえば外資系の元ファンドマネジャーFP」「柴沼といえばMBAホルダーFP」などが思いつきましたがこれらはきわめて自分本位でした。FPというのは「法人」がクライアントではなく「個人のお客様」です。この点は現役サラリーマンの方、あるいは退職間もないかたは特に意識して頭の切り替えをする必要があるポイントかと思います。こんな堅苦しいFPに相談しようなんて誰も思いませんよね。そこで、身近に感じていただけるように「自分がクライアントであればどんなFPに相談したいと思うか」を考え、こんな感じに変えました。「3人子育て中の肝っ玉FP」。このほうが少なくとも、クライアントが「共通するところがある」と感じてもらえると思いませんか。そうやって数あるFPの中から自分に相談してもらえるような「看板」を用意しました。

「集客」

次に「集客」です。ここは永遠の課題です。ということは、「これなら絶対」というものがないということを意味します。そうであればありとあらゆる手段を試すべきです。私が独立した当初はフェイスブックもまだなくて、ホームページやブログで集客しましょう、というのが定番でした。しかし、時代の流れにはしっかりついていくべきです。フェイスブックやツイッターなどのSNSが今や主流ですよね。何か新しい情報共有手段が台頭してきたら、「とりあえず」試してみるべきだと思います。「リスクがあるかも」とか「情報漏えいが心配」とか心配する段階ではなく、独立した当初は「一人でも多くの方に認知していただいて、オフィスを訪れてもらう」ということが実現できなければ「生活ができない」ということを折に触れて思い返すべきです。また独立当初は積み上げてきた実績もありませんから失うものは何もありません。好奇心をもって積極的にトライ&エラーを経験すべきでしょう。

「人脈」

これに関連して「紹介による来客」も獲得できるように「人脈」づくりも意識し、情報交換会などにもある程度は参加しておくことは有効です。確かに「人付き合いが苦手」だから独立した、独立を考えている方も多くいらっしゃると思いますが、ある程度の割り切りは必要です。また「人脈」は、即効性というよりも、あとからじんわりと効果が出てくるものです。長期投資だと思って取り組まれるといいと思います。そこで無理やり、ご自身を「社交的な人間」と作る必要はないと思います。私も、FPの集まりなど(具体的にはSG(エスジー、スタディグループと言います)に顔を出しますが、そこでむっつりしている方もよくお見かけします。しかしじっくり1対1でお話してみると、こだわりや素晴らしい実績などがわかり長いお付き合いができています。

 

以上、今回は独立起業にあたって持っておきたい「覚悟」「看板」「集客」「人脈」について経験を交えてご紹介させていただきました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。