こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の柴沼直美です。

今日は、FPの立場から資格取得の勉強を通じて感じた資産運用の必要性と、FPの資格を取得していたことによって役に立ったことについて触れてみたいと思います。

 

自分の将来は本当に大丈夫?

 

資格取得の勉強を通して強く思ったことは、勉強をする以前よりも、「自分で自分のお金(資産)をなんとかしなければならない」という必要性かと思います。日本の財政状況は、よく新聞やテレビなどで報道されている通り借金がGDP(国内総生産)の2倍以上あって、これは世界から見ても突出しているということを知って自分の将来について悲観的な気持ちになりますよね。何かニュースがあるたびに、スペインやギリシャは国家として財政不安が大きいので、国債の格付けがまた下げられてしまうなどと報道されますが、そんなギリシャでもGDPの1.7倍(2015年度現在)、スペインや米国はちょうどGDPと同じぐらいの借金額という程度です。
下の表が対GDP比債務残高比率の世界のランキング(出所:IMF(World Economic Outlook Databases))です。

国名 比率(%)
1位 日本 248
2位 ギリシャ 176
3位 レバノン 138
4位 イタリア 132
5位 ポルトガル 129

いかに日本の財政状況が深刻かということですね。

 

FPの勉強をすることで否応なしに現状認識ができた

そこから連想されることは、「私たちの年金ってどうなる?」ってことで、これもすでにいろいろなところで報道されていることですが、加速する少子高齢化に伴って自分たちの年金を賄ってくれる若者が少なくなっていくということ、すなわち、自分の老後をかつてのように次の世代に見てもらえないということの深刻さを思い知ったことです。

もしFPの勉強をしていなければ「何とかなるさ」と適当に現実逃避することもあったかもしれませんが、職業柄お客さんに説明するためいろいろなデータなどを日々見るようになれば自分のことに置き換えてみて「待ったなし」という現状をいやでも認識してしまいますね。

このような現実に対して、それではいざ「資産運用」となるとまたハードルが一段と高くなりますよね。いったい何から手を付ければいいのか、今のように情報があふれているとどこに目を付ければいいのかもわからなくなります。

 

FP資格取得の勉強で「資産運用」について学ぶことができる

FPの資格取得のための勉強をすでに始めている方は、復習になるかもしれませんが、資産運用に直結するのはFPの6課目の中で「金融資産設計」という科目になります。この科目は性質上、どうしても計算問題ができるようになることが求められているので計算に苦手意識のある方は後回しになってしまいがちです。金利の計算や、どれだけ収益を上げたかなどといったことは、いわゆる試験に合格するために最低限得点したいポイントだけを割り切って学習することになります。ただ、この学習の過程で「この商品で、このぐらいの金利だと3年預けても、これぐらいにしかならないんだなぁ」などと、電卓をたたくことでイメージできるようになるのは後々実務でも役に立ちますし、何より自分自身の資産や家計を管理していくうえでとても参考になります

また最近は、ある程度のリスクをとらないと、おかねが増えていかない状況なので、ドル円レートといった外国為替についての知識も必要になってきます。食わず嫌いではすまない時代になりましたね。

 

「セミナー」に行っても、参加者の知識差が大きすぎて全員のニーズを満たすことはできない

例えば、よくわからないけれど、とりあえず金融機関の店頭に行って説明をきく、または金融機関がときどき開催している資産運用セミナーに足を運んでみても、為替の話がでてきたら、とたんに何を言っているのか分からなくなるということってよくあるとうかがうことがよくあります。そもそも資産運用セミナーでは、まったくの初心者の方もいれば、セミプロのような経験豊富な方もいますので、両方のニーズに合うように講師の方が説明することはできません。経験豊富な方が質問すればどうしてもその質問に答えるように進んでいきますので、商品を勧められたけど、それがどんな商品なのか、何が良くて何が悪いのかまったくわからないまま無駄な時間を過ごしてしまったというケースも多いでしょう。

 

実際に自分で計算してはじめて意味が分かる

FPの勉強をしていれば、いやでも、為替の計算などは必須問題ですから一度や二度は電卓を実際に使って自分で計算することになります。数学や理科の科目に共通していることだと思いますが、実際に自分で計算してみてはじめて式の意味がわかることってありますよね。

どんな資格取得の勉強にも共通しているかと思いますが、資格取得の勉強って、もちろん合格することが大事ですが、その過程で理解が深まり視野が広がるという大きなメリットがあります。そしてそれは、「とりあえずテキストを丸暗記」という方法では得られないと思います。まさに「急がば回れ」ということで、今、金利の計算の修得に3時間も使ってしまった、電卓で何度も計算しても正解にたどりつくことができずに「あぁやっぱり、自分には無理」と思ってしまうかもしれません。ですが、そこであきらめてしまえば3時間は本当に無駄な時間になってしまいます。今はテキストだけでなく、ネットなど、いろいろな情報源を使えば、さまざまな角度からのアプローチが紹介されているので、必ず修得できるようになります。そこでいったん身についた知識は、実際の資産運用セミナーで話をきく、新聞やテレビのニュースを通じてどんどん立派な筋肉(!)になっていきます

自分の活きた知恵・知識としてこれからますます必要になってくる資産運用のマメ知識を増やしていけば、FPの資格取得とその先の自分やお客様の資産形成に役立てることができることをお伝えしたいと思います。