FPの柴沼直美です。女性としてのFPと男性としてのFPと、どう違うか、性による違いについて触れたいと思います。あくまで私見ですが、FPという仕事をしている限り自分が女性であってよかったと思うことが100%です。その理由は2つです。

 

 FPとして自分が女性であって良かった思う2つの理由

「相談しやすい」

1つめで最大の理由は、あくまで主観ではありますが「相談しやすい」と思われているのではないでしょうか。言葉を選ばずに敢えて書くとすれば「間口が広い、あまりいろいろ考えずに気楽に相談できる」というようなイメージをもっていただいているような気がします。男性FPに対しては、「職人芸」というか「専門職として極めている」というようなイメージを持っているようで、「こんなことを質問しても大丈夫だろうか」「これぐらいは自分で調べなさいと言われるのではないか」といったような先入観をもっていて、かなり下準備をしないと相談できないと身構えてしまうご相談者をよく目にします。

 「家庭を持つFPによる実体験に基づいたご提案」

2つめは、女性でFPとして独立している人の中には、家庭を持っている人が多いことがあげられます。FP相談の柱は、「住宅ローン」「教育資金」です。これらについて身をもって体験している、子育てという「日常の教育」を経験しているというところからくる強みだと思います。また日常の家計におけるちょっとした節約術などについても、家事全般を預かる女性だからこそ、家事の手順もふまえて、こんな風にやればいい、こんな風にはやらない方がいいといったマメ知識の寄せ集めを一緒に共感してもらいながら、実体験としてシェアできる、情報を共有できるという満足感が得られるからではないでしょうか。

FPというのはお気づきのように、日常生活全般にかかわってくる「おかね」に関するホームドクターです。教育資金のことを質問しようとしても、話しているうちに「子どものお稽古ごとに係る費用」とかもっというと「ママ友との付き合い方」など脱線することが頻繁に起こります。360度どの方向からの質問にも共感してもらいながらアドバイスをもらえるとなると、やはり母親という役割を家庭で演じている女性FPに軍配があがりそうです。

 

 男性FPにも強みはある

では、男性FPは全く不利かといえば、決してそんなことはありません。男性FPが強みを発揮するのはまさに、前述したような「職人芸・専門職」を極めた相談内容の場合です。典型的な例では、不動産の売買、あるいは相続問題などではないかと思われます。もちろん、女性FPでも、弁護士資格とのダブルライセンスを持った方もいらっしゃるので、それこそ一概には言えませんが、どうしても「1つのイベント」について深くもれなく確認しておきたい場合には男性FPへの依頼が来るようです。

 

性別による傾向はあるものの

ここまでをまとめますと、女性は「家計にかかわることを広く全般的に」、男性FPの場合は「1つのイベントを深く徹底的に」という傾向があるように思います。ただ、これもステレオタイプにまとめるのではなく、やはり経験値がものをいう、すなわち究極的にはそれぞれ個人のFPがどれだけいろいろなことを経験しているかということに尽きると思います。

 

究極的には個人のスキル・経験・人脈

仮に、税理士でもあるというFPであっても実はペーパードライバーであまり実務に携わったことはないという方も多くいらっしゃいます。ご相談内容の出発点は相続税に関することだったとしても、相続財産のほとんどが不動産で相続人どうしが疎遠で、登記も実は祖父母の代から整備されていなかったりすると、どのような手続きを踏んでいけば、効率的かつ平和的にそしてもっとも相続税がかからないような分割ができるかという複雑なケースになっていけば、適切なアドバイスが提供できないことが起こりえます。

そんなときに、ご相談者は結局フラストレーションを抱えたまま相談料だけが無駄になってしまったという結果で終わらないようにするにはどうすればいいでしょうか。1つのご提案としては、特定の相談項目について本当に強みをもっている同業FPに照会してもらえるかどうかの可能性を確認しておくことです。FP側から言えば、そのような確認を打診された場合にも堂々と対応できるかどうかです。この対応ができるということは、「自分は介護については絶対的な自信があるので、介護について複雑な問い合わせが来た場合はこちらに紹介してもらっていい。そのかわり、それ以外の例えば相続の問い合わせがあった場合は、○○FPに照会しますね」というような、暗黙の紹介システムができていることが求められます。

自分には絶対的な自信がある相談項目がある。それさえ持っていれば、あとは一通りの対応でもご相談者はきっと納得するでしょう。

 

まとめ

従って結論としては、男性FP・女性FPとしてある程度の傾向はあるものの、究極的にはFP個人のスキル・経験と人脈ということになると思います。

試験に合格するのは本当の入り口に立つだけです。FPは日々の生活に直結しているので、日々知識をインプットしていかなければなりませんし、経験を積むというアウトプットは何よりのインプット強化法です。それに加えて人脈を広げておく、しかもやみくもではなく、自分の専門分野と相互補完性がある人脈を中心に広げておく、といった努力を続けているFPは男性であれ女性であれ、信頼できるFPとして常にご相談者が途切れることはありません。