介護者、要介護者が抱える現実

日に日に弱っていく両親の介護を請け負う一人っ子。

夫婦間、親子間の老老介護。

昨今盛んにメディアで報道されている介護の現実。。

 

あらゆる場面を見るにつけ、介護については「明日は我が身」であると意識せざるを得ません。

介護者、要介護者のどちらにおいても、その立場にならないとなかなか現実味がわかないものですが、実は誰にでも当事者になる可能性があります。

 

介護にもお金がかかる

ある日、自分や家族が要介護者になれば、もちろんその後の生活に変化が訪れます。

身体的な障害を負うことになれば、その程度により不自由さを補う自宅のリフォームが必要になりますし、定期的な通院をする場合は病院までの付き添い人員とその交通費、自宅介護となればその介護に関わる人や機器・設備に費用がかかることになります。

その時になって改めて必要になるのは、やはりお金なのです。

介護生活を迎えると初期費用に約2万円かかり、国からの補助手当を差し引いた介護費用の自己負担月額が約4万2千円になるとのことですが、これは、普通に生活を維持する費用以外に相当の出費が嵩むことを物語っています。

(出典:生命保険文化センターホームページ) 実際にかかる介護費用はどれくらい?

 

年齢を重ねた上でスタートする介護生活は、就労する体力や時間の確保が相当難しくなるため特にシビアです。

個人で年金を貰うように準備をしているならともかく、国から支給される年金だけではとても賄えるものではないことがわかるかと思います。

 

決して人ごとではない

先にもお伝えした通り、介護は決して人ごとではありません。

世の中の出来事に対して、ある程度のたしなみと先見の明があり、将来に備える習慣があるご家庭では、たいてい一度は老後の生活のシミュレーションについて考えられることでしょう。

 

ところが、

「自分たちが将来要介護者になるかもしれない。」

という発想にはなかなか及ばないのではないでしょうか。

 

ここであえて注目しておきたいのが、近年の要介護者人口増加についての資料です。

・要介護者人口

2001年 約220万人→2016年 約620万人

 

・介護サービス受給者人口

2001年 約207万人→2016年 約523万人

 

(出典:厚生労働省資料)

介護保険制度の実施状況

介護保険事業状況報告(暫定)

 

このように、15年間で要介護者人口は約3倍弱、介護サービス受給者は約2倍強に増加していることがわかります。

「要介護者になると想像するなんて、縁起でもない。」

という意見も多数あるでしょうが、決して先を考えすぎて不安になることを勧めているわけではありません。

もしものことが起きた時、着実に対応して自分を守るために要介護時にどんな手続きが必要になるのか、またどのくらいの費用を見積もる必要があるのかを予測しておくことは大切なこととお伝えしたいのです。

 

老後シミュレーションにプラスして介護シミュレーションを

例えば、自分や家族が介護が必要な状態になったとしても、介護保険のサービスは、すぐに受けられる訳ではありません

実際には、サービスの申請、認定員の当事者訪問による状況判断、ケアプランの作成などの段階を踏み、一定期間を経てやっと受けられるようになります。

また、介護保険の費用補助についても同様で、認定されて実際に支給されるまでにかかる費用は自身で前払いをする必要があるのです。

 

一方、極端に介助が必要な立場にならないまでも、自分の快適な生活スタイルを求めて、ある程度の年齢を迎えると理想的な環境の整った介護施設に身を置く場合もなきにしもあらず。

 

いずれにせよ、ある程度のお金を残すシミュレーションをしておくことは、老後の自分の選択肢を増やす役割を果たしてくれます。

ぜひ、他人事だと割り切ってしまう事なく、老後生活の費用に上乗せしてある程度のお金を用立てておきたいものです。

 

FP技能資格をゆとりある介護費用運用に役立てよう

ファイナンシャルプランナー技能資格(以下、FP技能資格と記載)の学習では、世の中のお金の決まりについて幅広い範囲で学習した上で、その知識を個人の資産運用に応用する基礎技術が身につくもの。

もちろん、今回ご紹介した介護費用のシミュレーションにも大いに役立ちます。

 

例えば、FP資格の学習過程では、公的介護保険の設立背景や実際にどのくらい支給されるものなのかを学ぶことになります。

その知識は、保険に関して言えば、年金と介護費用の積立用に発売された比較的新しいタイプの商品が、自分の実生活に適応するかどうかの判断に応用することが可能です。

貯蓄に関して言えば、

・実際にどの時点からどのくらいの積立をスタートすればよいのか。

・今ある程度の年齢を経ていてその上蓄えも満足でない場合は、月々どのくらい、いくらを目標に積み立てるのか。

・少しでも早く用立てたい場合は、実生活のどこの費用を削って積み立てるのか。

などを的確に判断する材料になり、二の足を踏まず貯蓄を行動に移すことができるでしょう。

 

まとめ

病気療養と同様、一度始まってしまえば待った無しの介護生活の現実。

ついつい暗い発想に陥りがちですが、起きてしまった現実にはそれなりに対処するしかありません。

 

そこに、

「知識に基づいた予測」

「蓄え」

という転ばぬ先の杖があれば心持ちが随分違ってきます。

 

せめて、あらかじめ予測できるお金の不安を乗り切り、この先長く希望の持てる人生を持続させたいものです。