この記事では税理士という職業に関心のある方、あるいは税理士を目指して勉強をしている方を対象として、税理士がファイナンシャルプランナー(FP)資格を取得することのメリットについて解説をします。

解説するにあたりまして、まずは税理士がどのような業務に従事する職業なのかについて概説を付し、続いて税理士試験についてまとめます。

そして、税理士とFPを対比をさせることによって税理士資格とFP資格の両方を取得することのメリットについて検討を加えたいと思います。

 

税理士とはどのような仕事か

まず初めに、税理士とはどのような職業なのでしょうか?その業務内容から正体に迫ってみたいと思います。税理士はその名が示す通り、税金に関する分野で活躍している職業です。特に自営業の方は税理士と関わる機会が多いのではないでしょうか?

日本は憲法84条で租税法律主義を規定しています。これは法律上の根拠がなければ課税をすることができないことを規定しています。そして税金について規定されているのが租税法という法典なのですが、非常に難解であるため、これを勉強しないで使いこなすのは無理ですし、何より多くの時間がかかります。

そこで税理士の力を借りて、税金を納付するときの申告手続きなどの税務代理や、税務書類の作成を行なっていきます。その他に税理士の業務としては税務相談があります。税理士はこれらの仕事を独占業務として行うことができます。税理士でないものが税理士の業務を行うことはたとえ無報酬であっても違法になり、刑事責任が問われます

 

税理士資格について

税理士資格を取得するためには税理士試験に合格することが一般的です。税理士試験は会計学に関する科目を2科目(簿記論・財務諸表論)と税法に関する科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税)のうち3科目を選択して受験します。また、所得税法と法人税法については必ずどちらかを選択している必要があります。

会計学(2科目必須)

  • 簿記論
  • 財務諸表論

税法(3科目選択)

  • 所得税法(所得税法と法人税法は必ずどちらかを選択、両方も可)
  • 法人税法(所得税法と法人税法は必ずどちらかを選択、両方も可)
  • 相続税法
  • 消費税法または酒税法(どちらか1科目のみ選択可能)
  • 国税徴収法
  • 住民税または事業税(どちらか1科目のみ選択可能)
  • 固定資産税

合格基準は6割であり、科目合格制なので、1科目ずつ受験しても大丈夫です。また合格率は15%程度になります。これはFP資格と比較すると1級程度の難易度であると言えます。

 

税理士がFP資格を取得することのメリット

税理士の主な顧客は中小企業や、個人事業主など何らかの事業を独立して行なっている法人あるいは個人が多いです。そんな税理士がFP資格を取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?税理士とFP資格のダブルライセンス(両方取得すること)のメリットは新規顧客の開拓がしやすいことと、業務の幅が広がり相乗効果が得られることであると考えます。

まずFP資格のみで独立すると、最も苦労するであろうことが集客です。FPはまだ社会的な認知度が高い資格とは言えず、相談内容も個人の家計に関することが多いので、やはり相談までには高いハードルがあります。対して税理士資格は社会的に不可欠な役割を担っており、FPと比較するとたいへん集客がしやすい資格であると言えます。つまり税理士資格はFPの弱点である集客能力をカバーすることができます。

税理士は法人中心に顧客を増やしていきますが法人は個人の集合です。FP業務は個人向けのサービスが多いです。つまり税理士業務とFP業務を合わせて行うことで、新規顧客の開拓がしやすいというメリットがあります。

やはり事業を行うとなると大きな額のお金を動かすことになりますが、その分リスクも大きくなり、複雑なマネープランを要します。どうしても事業に不安はつきものでしょう。そこでFP資格を所有していれば独立したての事業主に対して資金面でのコンサルティングを行うことが可能であり、法人のオーナーに対しても資産設計の参謀をすることができるようになります。また法人内で講師として、従業員の社会保険や家計についての知識を伝えることもできます。

また事業主の方には福利厚生が心配である方が多いと思われますが、公的制度を利用した自営業者の福利厚生を組み立てるサービスを提供することも可能です。

住宅の購入や相続計画などのFPの領域では税理士として活動をしていれば、税金面での相談にも乗ることができます。これは税理士資格のないFPにはできないことであるので、きわめてメリットが大きいです。

 

まとめ

この記事では税理士がどのような職業で登録のためにはどのような試験を受験する必要があるのかについて概説を付した後に、FP資格とのダブルライセンスによって、業務の幅が増え、顧客の新規開拓をすることができるというメリットをあげました。

税理士の仕事は税務代理・税務書類の作成・税務相談の3種類であり、これは税理士の独占業務です。税理士になるには税理士試験を受験して全科目合格する必要があります。

税理士とFPは職域が異なり、税理士は法人や個人事業主などを主な顧客としますが、FPは個人を主な顧客とします。ですから、ダブルライセンスによって顧客とすることのできる範囲が広がり、相乗効果によって業務の幅が広がります。ダブルライセンスで税務も行うことができるFPになり強い専門性が得られるので、たいへん大きなメリットがあります。