簿記とファイナンシャルプランナー(FP)資格との違いはなに?両方取得するべき? 現役FPが解説します。

お金を扱う資格を想像していただくと真っ先に上がるものが簿記の資格だと思います。みなさんも一度を耳にしたことがあるのではないでしょうか。FPに比べて簿記の資格は、その存在を社会的によく認知されている資格であると言えます。

どちらもお金についての資格であるところが共通していますが、簿記とFP資格では何が違うのでしょうか?また、簿記とFP資格のダブルライセンスの相性はどうなのでしょうか?現役FPが解説していきたいと思います。

その際にまず簿記とFPの資格について、それぞれの特徴を比較してみましょう。

  • 難易度
  • 受験資格
  • 資格取得のメリット

難易度、受験資格、資格取得のメリットを比較することによってそれぞれの資格の特徴を際立たせ、それぞれどのような人が取得するのが望ましいのかを明らかにします。次にダブルライセンスについて簿記とFPの資格の関連から取得すべきか否かの見解を述べたいと考えます。

 

簿記とFP資格の比較

比較をする前に簡単に簿記についての説明をしたいと思います。簿記とはお金の動きを記録する技術のことです。簿記の資格ですと個人事業主や法人が事業を運営していく上での技術を主に勉強する事ができます。何のためにお金の動きを記録する必要があるのかと言うと、企業の経営成績と財政状態の2つを把握するためです。経営成績とは、ある期間でどれだけ儲かったのか、または損をしたのかということで、例えるなら企業の通知表のようなものです。財政状態とは、ある時点での企業の財産の状態のことを言います。同じく例えるなら中間テストの得点表のようなものです。簿記の資格には、日商簿記と全商簿記の2種類がありますが、本記事では社会的認識度の高い日商簿記の資格のことを簿記と呼びたいと思います。では早速FP資格と比較していきましょう。

簿記とFP資格の難易度比較

まず難易度ですが、こちらは合格率で比較したいと思います。以下の表をご覧ください。難易度は年度にもよりますが、全体的に簿記試験の方が合格率は低いです。どちらも一級は二級と比べて一気に難易度が上がります。二級以下はしっかり事前に準備をすれば十分に合格できる可能性はあります。

簿記は7割の得点ができれば合格です。演習を繰り返して技術を地道に習得していく事が合格への近道です。とにかく慣れることが重要です。一方で、FPは6割の得点ができれば合格です。こちらも過去問題を解説を見ながらきっちり解くことで、十分に合格が狙えます

 

 簿記等級 合格率 FP等級 合格率
簿記三級 38% FP三級 58%
 簿記二級 26% FP二級 26%
簿記一級 10% FP一級 12%

簿記とFP資格の受験資格比較

次に受験資格ですが、FP試験は三級だけ受験資格が要求される事は無く誰でも受験する事が可能ですが、二級や一級になると前の級に合格している事や実務経験が要求されます。しかし、簿記の資格であれば、受験資格を要求されることはありません。好きな級から始める事ができます。受験のための敷居は簿記試験の方が低いと言えます。

簿記とFP資格のメリット比較

最後にFP資格と簿記資格を取得することによって得られるメリットの比較ですが、FP資格は資格取得を目指して勉強することによって、お金に関する知識を広く身につける事ができます。対して簿記は効率的な金銭管理のための技術を身につける事ができます。就職では簿記は二級以上を取得していると色々な企業からプラスの評価をいただくことになります。

また就職してから昇進をして管理職になったり経営に参画する機会が増えると簿記の知識を有している事が必須になってきますので、いずれ取得をする必要があるかもしれないのなら、学生のうちに取得してしまいましょう。また新入社員のうちから経営に必要な知識を有していると、昇進の際に有利ですし間接的に収入アップにつながります。企業の中では簿記の資格が収入アップにつながりやすいです。FP資格は個人で活動をしたり簿記には無い資格手当がつく場合があるので、資格の取得が直接的に収入アップにつながります

以上の点から簿記の資格は会社で経理をやりたい、経営に参画したい人に向いている資格であると言えます。FPの資格は不動産や保険の営業に加えて、銀行や証券会社に勤務したい人に向いています。加えて、独立をして仕事をしたい人にも向いています。独立をする場合には、やはり簿記とのダブルライセンスは必須です。色々な資格とダブルライセンスの相性がいいFPですが、では簿記の資格とはどうなのでしょうか。

 

簿記とFPのダブルライセンス

お金を記録して管理するという技術的側面に立って学ぶ簿記の資格と、お金に関する包括的な知識から資金計画を立てるFP資格はともにお金に関する資格であるという点で共通していますが、簿記は企業を主な対象とするのに対して、FPは個人という領域を主な対象とするので一見扱う領域が別々のようですが、FPは簿記を学ぶ事で企業も顧客にする事が可能です。

また簿記はお金の動きを記録する技術なので、企業を主な対象としているとは言え、個人の顧客に対して資金計画を提案する時も応用する事ができます。FPと簿記の知識を合わせて学ぶと知識と技術がいい影響を及ぼしあい、よりお金に対する見識が深まるものと考えます。両方の知識があると、顧客に対してより洗練された回答をする事ができて、より信頼される社員やFPになる事ができます。

 

まとめ

FPと簿記はともにお金に関する資格ですが、FPは知識をもとに個人の資金計画を立てる事が中心であり、簿記は企業のお金の動きを記録して管理をする技術が中心なので、ダブルライセンスをするとお互いの資格の領域までできる事が増え、より効率的な業務を行う事ができるので是非とも両方取得すべきであることを述べていきました。

簿記はFPに比べると受験資格を要求されないので受験の敷居が低いため、他士業とのダブルライセンスに比べるとあまり負担にならず、取得をする事ができます。簿記から税理士へとステップアップすることも可能ですから取得を検討してみてください。