こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の柴沼です。今日は「独立した理由」についてお話しようと思います。

 

介護や育児が理由で独立を決意

以前介護や育児により外で働くことが難しくなったことを記しました。FPという仕事とは直接関係ないかもしれませんし、どちらかというとキャリアディベロプメントのテーマにそれてしまう可能性もありますが、読者の方にとって何らかの形でお役に立てる情報が提供できればと思います。

筆者はがめついところがありまして、一石二鳥、七転び八起きという生き方をモットーとしています。3人の子育てプラス母親の介護という状況でフルタイムで働くことは絶対にかなわなかったのですが、仕事をすべてキャンセルしていったん家庭に入ってしまうと、年齢的なことも考えると復帰したいと思った時(例えば子育てが一段落したとき)に使ってくれるところはどこもないという危機感を持ちました。

 

実際は何の下準備もしないまま独立

しかしそこであきらめてしまうのはあまりに悔しい、ということで細々であっても仕事ゼロにしない限り復活の可能性が残ると期待して、名ばかりの「独立」をしました。しかしなんの下準備も人脈づくりもなく、「やむを得ずの独立」なのでうまく売上をたてる見込みなどありません。

そんなときでも、工夫の仕方でキャリアをつなぐことは可能だと信じて、自分の現在の状況をそのまま仕事にしました。よく芸能人が自分のプライベートを切り売りして(自分が金銭的に困っている状況をすべてさらけ出してテレビに出演するなど)ビジネスの機会を確保しているのと似ているかもしれません。

どうやって子育てをしているのか、保育所はどうやって見つけるのか、行政サービスをどうやって活用するのか、その間どうやって自分は仕事の時間を確認したのか、などといったサービスを提供する行政や士業の方々、金融機関や保険代理店などへのアプローチの仕方を体験談を交えてご紹介しました。

 

「実体験を交えた具体的な説明」が最も求められていることが分かった

それ以前は、会社員として働いていましたから相手は専ら法人で、個人のお客様と直接触れ合うという機会がなくどのように接したらいいのか距離感もわかりませんでした。

しかし経験を積み重ねるうちに、実は個人のお客様は「実体験を交えた具体的な説明」を最も求めていて、それがたいていの場合得られないので、無味乾燥なテキストベースの情報で不満を抱えているということを知りました。つまり、同じ目線に立つことが重要だと気づきました。

よく「学ぶより真似ろ」といいますが、これは何も学校の勉強に限ったことではなく社会人や母親の立場になっても同じことなんだと思い知りました。

 

「実体験を交えた具体的な説明」は特にFPという職業に有効

それからは、積極的に自分の実体験を織り交ぜて説明をしたり情報提供をしたりするように心がけています。このアプローチはFPでは非常に有効だと思います。再三ご紹介している通り、FPが取り扱う事項は日常のかなり幅広い分野で起こる「困ったこと」を対象にしていますので、自分が体験すればするほど、実務に応用できます

独立していれば、勤務時代と違って、何もかも(最たる例が確定申告などの税務関係だと思いますが)自分で対応します。それは自分自身のためでもあり(もちろん外注する、すなわち税理士に依頼するということもできますが、コストを抑えるという観点からは疑問ですね)、経験という名の自己投資でもあり、相談業務という自分の仕事のためでもあり、このサイクルをうまく回していけば、独立の時間やコストなどがすべて相殺されてさらに収益が得られます

 

「経験」をすればするほどFPの仕事に活きる

例えば、英語講師を独立してやった場合、確かに教えるという過程で自分のスキルアップにもつながりますし、講師業による収入が確保できるので、これも一石二鳥といえるでしょう。ですが、ここは日本なので普段の生活は日本語です。業務をしている間とそれ以外の時間が分断されます。

これに対してFPがかかわる問題には、プライベートや仕事の境界線があるようでないのです。これに抵抗がある人は難しいでしょうが、プライベートの経験がそのまま仕事のネタになることに抵抗がない筆者は、独立して、FPとして独立して本当によかったと思っています。

以前にもお話したかもしれませんが、先日相続が発生しました。司法書士に丸投げせず、ほとんどすべてを自分でやりました。この経験がその後の相続財産のご相談にそのまま役に立っています。

もし、独立せずどこかのFP事務所で資産運用の担当として勤務していたらどうでしょう。会社の就業規則に従いますから、このような突飛なライフイベントがあれば家族(子ども)の生活をある程度犠牲にしなければなりません。そのうえ、自分で時間をかけて相続関係の処理をすることはできず、もっと外注に頼っていたと思います。そうなれば、経験値が足りないので、相続のご相談に自信をもって臨むことはできなかったでしょう。

独立していると、その間はキャンセルできる仕事はキャンセルして優先順位を並べ替えることができます

 

「経験」でお客様からの信頼に差がつく

FPは守備範囲が広く、いつなんどき6分野のどの相談項目が飛び込んでくるかわかりません。「運用以外は管轄外なので、○○にバトンタッチします」というのと、詳しくなくても一通り、しかも実体験談つき(時には失敗談つき)でトータルで説明してもらえるのと、どちらがクライアントとの付き合いが長くなるかは明らかですよね。

 

独立はやってみないと分からない

未知の世界に足を踏み入れるのは勇気がいることだと思いますが、自転車に乗るのと同じことです。一度経験してみないと、独立の良さはわからないし、独立してみれば独立の良さは絶対にわかると思います。