FP資格対策講座を開く大学が増えている

近年不景気や社会保障制度への不安から、個人の金融リテラシーの向上が必要とされており、私経済に密着したお金の知識を高めていくために、FP資格が注目を集めています。大学でもそういった金融リテラシーのある市民育成という社会的要請にこたえるべくして、FP講座を開講する大学が増えています(出所:日本FP協会(学生や社会人がFPを学べる大学一覧))。

ではFP資格はどのような学部で学ぶことができるのでしょうか?この記事ではまず、FP講座が開かれている傾向にある学部を列挙して、それぞれの履修内容とFP資格との関連を解説していきます。そして、FP資格を学ぶことの社会的意義について、現役FPが論じます。

 

どうして大学でFP資格対策講座が開かれるの?

大学は社会に生かされているので、社会的に有為な人材を育成することは高等教育機関に課せられた重要な使命のうちの一つであると考えられます(出所:文部科学省(大学が要請する人材像、教育内容(教養教育の在り方)))。

特に大学の学部レベルの学問では、研究者を育成するということではなしに、学び得た知見を活かして実社会を支えるような市民を育成することを目標としています。学問的には先達の研究の成果を広く学ぶ、いわゆる「知の引継」が行われている場でもあります。

 

FP資格対策講座を開講する主な学部は3つある

ではどのような学部で開講すると社会的なメリットが大きいのでしょうか。FP講座は主に3つの学部で開講されています。

  • 経済学部
  • 経営学部
  • 法学部

理科系の学部ではあまり開かれておらず、経済学部や経営学部に法学部などの社会科学系の学部で主に開講されています。いずれも、卒業後に金融や不動産業界に進路が決まる学生の多い学部です。法学部では士業や公務員へ進路をとる学生も多くいますが、そういった進路を選択してもFP講座で学んだ知識は大いに役に立ちます。

 

FPと学部の学習内容の関連性

次に解説をするのが、FP講座と学部における学習内容との関連性についてです。こちらは、先ほど挙げた3学部でどのようなことを主に学習するのかを明らかにしながら、FP講座と関連するような領域をピックアップして検討を加えたいと考えます。関連を意識することで大学で学習する道理とFP講座での実際的知識とが相互にいい影響を及ぼしあい整然とした知識体系を構築することにつながります。

経済学部

経済学部で主に勉強する経済学は日々の労働によって生み出される財やサービスの生産・分配・消費やそれに関連する現象を考察して経済法則の理論を発見する学問です。我々は労働をして財やサービスを生産します。そして生きていく上でそれらを対価を払うことで享受しています。つまり経済学は私生活に密着した学問であると言えます。現代においては財やサービスの交換はお金を媒介して行われます。FP講座は経済学のうち、消費と生産に関わる分野と関連しています。こうした消費活動について学問的な下地があるプランニングは強い説得力を持ちます

経営学部

経営学部では、企業の経営技術について勉強していきます。この経営学部の学習内容とFP講座の学習内容では、リスク管理や資金調達など法人を対象とした資金面でのプランニングの分野で関連があります。実務的な知識をFP講座で学び、学問的な経営技術を学部の勉強で勉強することでより効果的な提案が可能となり、実務知識と学問知識の両輪を回すことで、より効果的に成長ができるでしょう。

法学部

法学部では主に実体法に係る法解釈学の分野でFP講座との関連を見いだすことができます。具体的にどのようなところが関連しているのかというと、民法や商法を学んだ知識が不動産や贈与・相続の科目に活きたり、政策学的には既存の社会保障制度がどのような理由で制定されるに至ったか、学問的な領域で根拠を得ることができます。

 

就活で一歩リードできる?FP資格が活きる業界

FPの講座を開いてその知識を広く教授するということは、市民の金融リテラシーの向上という目標に対して指導的役割を果たす人材を育成することができます。講座を受講した学生の多くはFP資格を取得して広くお金についての知識を得た状態で社会に送り出されます。企業に務める場合でも専門的な知見があれば、勉強会や企業内講師として、社員の金融リテラシーの向上に資するような活動が可能です。

経済学部や経営学部の学生が進路に取ることの多い金融や保険、不動産業界では、商品知識に加えてライフプランニングの技術をFP講座で学ぶことができれば、顧客に対してより良い商品を提案することができるようになります。このような知識を備えた学生は、企業からの需要も高く就活において大きな強みになります。

また、法学部の学生が進路に選ぶことの多い弁護士や社会保険労務士、税理士、行政書士などの士業とのダブルライセンスの相性がいいのがFP資格です。弁護士は依頼人の今後の生活設計を考慮したアドバイスができるようになりますし、社会保険労務士や行政書士などの企業のコンサルタントを行うような仕事は資金面でのプランニングも行うことができます。税理士資格を持っていると、FPの相談業務においても税務相談の分野まで踏み込んでプランニングをすることが可能です。

まとめ

この記事ではFP講座に関連のある学部として、主に法学部・経済学部・経営学部について、学部の学習内容とFP講座の内容の関連について、その社会的意義と合わせて説明していきました。その後士業として仕事をする場合や金融や保険、不動産業界を志す場合にFP講座はぜひ受講すべきであることを説明していきました。日本ではFP資格はまだ十分に認知されているとはいいがたく、その領域はブルーオーシャンです。未開拓分野(フロンティア)が多く残された分野ですから学生の皆さん、ぜひFP資格に挑戦してみてください!